2015-07-17から1日間の記事一覧

【論考】世間からの逃走、観光客、そして記憶

はじめに 正宗白鳥は明治41年に発表された代表作『何処へ』の小説内で、世間という言葉と、社会という言葉を併用している。明治10年に社会という言葉がSocietyの訳語として充てがわれて約30年経過した後にである。この一例だけで明治以来の作家たちの混乱を…