掌編小説

【掌編小説】兎のいない満月

母方の祖母は物が失くなるといつも狐のせいにしたものだ。たとえば、棚の奥に置いていたはずの少しばかりの金銭が見つからない。そうすると、「また狐が入ってきてからに」といった塩梅だ。 考えようによっては、誰のせいでもなく「狐」という存在しない生き…