【詩】春への決別の歌
私には聴こえる、カーテンを閉めきったこの陰鬱な部屋で
冬の冷気が依然まだ残る、湿っぽいこの部屋で
春の訪れが予感のように歌ってらっしゃる おいでよ、おいでよ、おまえさん
私は窓際に立ち、そっとカーテンを開けてみる
なるほど、太陽はまだ低く、冬露が窓を覆っている
しかし遠くで春の調べが囁くのを私は知っている おいでよ、おいでよ、おまえさん
残酷とは春のことをいう 無遠慮な太陽、咲き乱れる桜、出て行く人間の浮かれ声
冬の優しさを知らないものは愚かものである 春の訪れを甘受するものは馬鹿ものである
ほらごらんなさい、春の声が近づいてきたではありませんか
おいでよ、おいでよ、おまえさん おいでよ、おいでよ、おまえさん