【雑記】幻聴のこと01

幻聴は内的発話の変形であるから他者に伝達することができない。普通、内的発話においては「~と自分は思った」となるのが、幻聴においては「~が~と言った」となる。そうなると、他者に伝達するためには「~が」の部分の担保が必要となる。内的発話における「自分」に相当するものだ。しかし、幻聴は内的発話の変形であり、同時に自分には捉えることのできない自分なので「~が」の部分の担保が取れないのだ。「~が~と言った」の担保を誰か他の人間に証明してもらわなければならない。そして、それは不可能である。では、幻聴を統合失調症と判断する精神科医とは何者なのだろうか。おそらく、精神科医とはハッタリであるしかない存在だと思う。もしくは、自身も幻聴を経験した人間かのどちらかだ。幻聴においては「至る所に私」がいる。平野啓一郎がいう分人を素で生きているのが幻聴を持つ統合失調症患者だ。