2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

【詩】春への決別の歌

私には聴こえる、カーテンを閉めきったこの陰鬱な部屋で 冬の冷気が依然まだ残る、湿っぽいこの部屋で 春の訪れが予感のように歌ってらっしゃる おいでよ、おいでよ、おまえさん 私は窓際に立ち、そっとカーテンを開けてみる なるほど、太陽はまだ低く、冬露…

【エッセー】ジャッキーのこと

昔、横浜の伊勢佐木町に住んでいた頃、皆からジャッキーと呼ばれている中国人の知り合いがいた。その男は眼鏡をかけて頭を綺麗に剃り上げていたからジャッキーというあだ名がジャッキー・チェンに由来するものでないことは確かであった。私は彼の本名も生い…

【音楽】中島みゆき - 断崖~親愛なる者へ 02

断崖-親愛なる者へ- 中島みゆき J-Pop ¥250 provided courtesy of iTunes 中島みゆきの「断崖-親愛なる者へ」は、一見、人生における普遍的な寂しさのようなものを歌っているかに思えるが、その歌詞を丹念に読めば、実はひとりの相手に呼びかけているメッセ…

【詩】世界の終わりにて

思い出の中を辿るのはよして 世界が終わってしまったんだ 思い出の中を辿るのはなぜ それは、あらゆるものを秘めていた 草叢を掻き分けて、誰よりも早く川に足を浸した 浅瀬に体を仰向けて、緩やかな流れに身を任せる 真上に燦然とある真夏の太陽と青空、そ…