【詩】白いおばあさんの歌

今日という日の、なんと昏かったこと

明日という日の、なんと薄明がかった蒼きこと

昨日という日の、なんと眩かったこと

ぼくはいったいどの時に在ったことだろう

 

もうよそう、未来礼賛のぼくたちよ

まるで異国の街娼らのため息のように

未来は遙か遠く、ぼくの記憶のうちに既に在って

過去は遠く及び、ぼくの記憶のうちから消え去っていく 

 

白いおばあさんが大桟橋から遙か対岸を眺めたように

失意はけっして希望にすり替わることはなく

絶対に見てはいけないよ、未来には暗澹とした希いだけを

今、いったいぼくらはどこに見出そう、白いおばあさんの想いを

 

今日という日の、なんと昏かったこと

明日という日の、なんと薄明がかった蒼きこと

昨日という日の、なんと眩かったこと

ぼくはいったいどの時に在ったことだろう